警戒被害が起きている。または、起きれば重く広い

消防庁「安否情報システム」に不正アクセス、サービス停止

総務省消防庁の「武力攻撃事態等における安否情報収集・提供システム」に第三者の不正アクセス。運用保守の委託先である富士ソフトが報告した。サービスは止まっており、個人情報の漏えいは確認されていない。

要点

  • 災害や武力攻撃のときに住民の無事を確かめるための国のシステムが、第三者による不正アクセスを受け、いまは止まっている。
  • 報道によると、国家サイバー統括室が総務省に疑いを伝え、運用と保守を任されている富士ソフトが不正アクセスを確認した。消防庁は2026年11月5日に発表した。
  • 消防庁は、いまのところ個人情報が漏れたことは確認していないとしている。ただ、侵入の時期や経路は発表で示されていない。

何が起きたか

総務省消防庁は2026年11月5日、「武力攻撃事態等における安否情報収集・提供システム」(安否情報システム)に第三者が不正にアクセスしたと発表した。報道によると、発表はこう説明している。システムの運用と保守を任されている富士ソフトが不正アクセスを確かめ、消防庁に報告した。

読売新聞によると、きっかけは11月4日だった。国家サイバー統括室(政府のサイバーセキュリティの司令塔)が、総務省に「不正アクセスの疑いがある」と伝えた。そのあと富士ソフトが調べて確認したという。

報道から読み取れる消防庁の対応は、大きく二つある。まず、サービスを止め、外からのアクセスも断った。被害の範囲を見きわめるためだとされる。次に、委託先の富士ソフトへの指導だ。消防庁は、原因の調査と再発防止を急ぐよう求めるとしている。侵入の詳しい中身は、富士ソフトの側でまだ調べている段階だと報じられている。

まだ見えていないことも多い。侵入の時期と経路は、発表で示されていない。サービスがいつ戻るのかも出ていない。ビジネス+IT は、止めた範囲がシステム全体なのか一部の機能なのかも、いまははっきりしないと伝えている。

個人情報について、消防庁は「現時点で漏えいは確認していない」としている。読売新聞は、消防庁が「現時点で、システム内での個人情報の取り扱いはない」とも説明したと伝えた。平時には実際の安否情報は入っていない、という意味とも読める。

このシステムは何に使うのか

大きな災害や武力攻撃が起きると、家族や知人から自治体に「あの人は無事か」という問い合わせが来る。自治体はこのシステムの情報をもとに答える。各地で集めた安否の情報を、全国でまとめて扱うための仕組みだ。

情報を入れるのは、主に自治体の職員などである。消防白書は、パソコンから入力でき、入った情報を全国の分まとめて検索できる仕組みだと説明している。情報を集める場所としては、避難所や病院が挙げられている。読売新聞によると、登録するのは氏名や生年月日などだ。

本番の災害で使われたのは、2011年の東日本大震災が最初だった。白書によると、このとき登録された安否情報は約16万3000件にのぼる。災害のない時期にも、自治体の職員が使い方に慣れるよう、訓練が定期的に行われている。

もとになっている法律は国民保護法(武力攻撃などから住民を守るための法律)である。消防庁が構築して、2008年4月から運用している。武力攻撃のときだけでなく自然災害でも使えるよう、あとから手が加えられた。

日本の利用者への影響

このシステムを使うのは、国と全国の自治体だ。

いま直接の影響を受けるのは、システムを使う自治体の職員である。止まっている間は、訓練などでも使えない。

住民にとって一番気になるのは、止まっている間に大きな災害が起きた場合だ。発表では、サービスを再開する時期は示されていない。

個人情報が漏れたことは、いまのところ確認されていない。ただ、調査は終わっていない。続報を待つ必要がある。

今すぐやること

  1. 住民がこのシステムのために何かをする必要は、いまのところない。漏えいが分かれば、消防庁や自治体から知らせが出るはずなので、続報を見ておく。
  2. 「安否情報システムの件で個人情報が漏れた」と言って連絡してくる電話やメールには注意する。役所を名乗っていても、リンクを開いたり、情報を答えたりしない。
  3. 自治体の担当者は、消防庁国民保護運用室からの連絡にしたがう。システムが止まっている間の訓練や業務をどうするかを確かめておく。
  4. 仕事でシステムを外部に任せている人は、委託先が侵入に気づいたとき、どれだけ早く、どんな手順で報告する約束になっているかを見直す。

背景

国や自治体のシステムは、運用と保守を民間に任せることが多い。今回も、侵入を確かめて報告したのは委託先の富士ソフトだった。委託先のシステムや作業環境が狙われると、発注した役所のシステムまで被害が及ぶことがある。

富士ソフトは2023年にも、自社の社内システムへの不正アクセスを公表している。このとき富士ソフトは、すぐに封じ込め、侵入の経路も特定してふさいだと説明していた。

国家サイバー統括室は、2025年7月に内閣官房に置かれた組織だ。今回、総務省に不正アクセスの疑いを伝えたのは、この統括室だったと報じられている。

技術者向けの詳細
  • 対象: 武力攻撃事態等における安否情報収集・提供システム
  • 発表の問い合わせ先: 消防庁国民保護・防災部防災課国民保護運用室
  • 運用保守の委託先: 富士ソフト株式会社
  • ネットワーク: 消防庁は、LGWAN(自治体どうしを結ぶ閉じたネットワーク)を使って高いセキュリティを確保していると説明してきた(INTERNET Watch による)。今回、どこから入られたかは公表されていない
  • 公表されていないこと: 侵入の経路、使われた弱点、攻撃者、影響を受けたデータの件数、止めた範囲、再開の時期
  • 一次情報: 消防庁 報道発表(2026年11月5日、PDF)

出典

一次情報

報道

記事は、運営者が生成 AI を活用して作成し、内容を確かめたうえで公開しています。 誤りに気づいたら編集方針の連絡先へ。

次に読む

同じタグの記事

警戒

Amadeus 漏えい、キャセイ・シンガポール航空などアジア各社に拡大

予約システムの Amadeus への不正アクセスで、大韓航空・アシアナ航空、JAL、ANA、キャセイパシフィック(約5万3,000件)、シンガポール航空(約4万6,000件)、マレーシア航空が漏えいを公表した。各社の漏れた項目と時期を一覧にした。

#Amadeus#情報漏えい#航空会社#フィッシング#委託先