要点
- ライフカードのネット用プリペイドカード「Vプリカ」の利用者69件の情報が、委託先のGMOペイメントゲートウェイのシステムから盗まれた可能性がある。
- 両社は手口をくわしく明かしていない。Vプリカを使っている人は、利用明細とライフカードからの連絡を確かめ、使わないときはロックをかけておくとよい。
何が起きたか
Vプリカは、ライフカードが出しているVisaのプリペイドカードだ。先にお金をチャージして、ネットの買い物でクレジットカードのように使う。
この仕組みの一部を、決済の大手のGMOペイメントゲートウェイが引き受けている。GMOペイメントゲートウェイが2026年11月2日に出した発表によると、ライフカード向けに作った「イシュイングサポートサービス」(カードを出す会社を手伝うサービス)の専用の機能で、10月30日に「不正なユーザーによる行為」が起きた。その結果、利用者の情報69件が盗まれた可能性があるという。
盗まれた可能性がある情報の内訳は、GMOペイメントゲートウェイの発表では次のとおりだ。
- 氏名・メールアドレス・電話番号・住所の一部:63件
- Vプリカ番号・専用セキュリティコード・有効期限・氏名:3件
- Vプリカ番号の一部:3件
「不正なユーザーによる行為」が何を指すのかは、発表には書かれていない。外から入りこまれたのか、正しい利用者を装った誰かが機能を悪用したのかは分からない。ただし、ライフカードは10月31日の第一報で、委託先のシステムに「第三者による不正アクセス」が見つかったと説明している。
ライフカードは10月31日、安全を確かめるためにVプリカのサービスを一部止めた。GMOペイメントゲートウェイも、対象のサービスの一部を止めて対策を進めているとしている。その後、Vプリカのサイトには「Vプリカサービス再開のお知らせ」が載っている。
ITmedia NEWS と INTERNET Watch によると、ライフカードの11月2日の続報では、カード番号などが漏れた3件に不正な利用は見つかっておらず、3件は10月31日付で退会の処理をしたとされる。
日本の利用者への影響
被害を受けたのは、日本のVプリカの利用者だ。対象はライフカードが個別に知らせるとしている。連絡が来なければ、今回の69件には入っていないと考えられる。
GMOペイメントゲートウェイは、ほかのカード会社向けの機能や、ネットショップ向けの決済代行のサービスは別のシステムで動いており、影響はないとしている。
件数は多くない。それでも、カード番号・セキュリティコード・有効期限・氏名の4つがそろうと、ネットの買い物でそのまま使える。63件の連絡先も、ライフカードやVプリカを名乗る偽のメールやSMSに使われるおそれがある。
今すぐやること
- ライフカードからの個別の連絡を確かめる。 連絡を名乗るメールやSMSのリンクは開かない。Vプリカのアプリや公式サイトを自分で開いて確かめる。
- Vプリカの利用明細を見る。 アプリかマイページで、身に覚えのない買い物がないか確かめる。
- 使わないときはセキュリティロックをかける。 番号が気になるなら再発行も考える。
- 身に覚えのない利用を見つけたら、すぐ窓口に連絡する。 Vプリカ専用ダイヤルは03-4361-0513(平日10時〜17時)だ。
- 「返金します」「情報を確認します」と言ってカード番号やチャージコードを聞いてくる連絡には答えない。 ライフカードは、チャージコードを人に伝えると原則として返金できないと注意している。
背景
決済の会社は、カード会社やお店の裏方としていくつもの仕組みを引き受けている。今回のように、一つの委託先の機能が破られると、利用者がふだん名前を見ない会社から情報が漏れることになる。
ライフカードは、このすぐ前にも別の漏えいを発表している。10月28日には、メール配信を委託していたユミルリンクの「Cuenote FC」への不正アクセスで、33万9,610件の契約について氏名やメールアドレスなどが漏れた可能性があると発表した。こちらの委託先はユミルリンクで、Vプリカの件のGMOペイメントゲートウェイとは別の会社だ。
技術者向けの詳細
- 発生日:2026年10月30日(GMOペイメントゲートウェイの発表)。ライフカードの第一報は10月31日、続報は11月2日。GMOペイメントゲートウェイの発表は11月2日
- 対象:GMOペイメントゲートウェイの「イシュイングサポートサービス」のうち、ライフカード向けの個別の機能
- 原因:GMOペイメントゲートウェイは「不正なユーザーによる行為」、ライフカードは委託先のシステムで「第三者による不正アクセス」が確認されたと説明している。侵入の経路・手口・使われた欠陥は公表されていない
- 範囲:他社向けのイシュイングサポートサービスと決済代行は、システムの基盤が違うため影響なしとGMOペイメントゲートウェイは説明している
- 対応:対象の機能を一部停止。新たに公表すべきことが分かれば発表するとしている
- 後払いチャージ:返済に不便が出ないよう対応中で、あらためて案内するとライフカードは告知している
- 最新の状況は、両社のリリースとVプリカのお知らせのページで確かめるとよい


